「違法ダウンロード禁止法」のパラドックス

「違法ダウンロード禁止法」という法律がある。この法律名は間違っている。「違法にアップロードされたもののダウンロードを禁止する法律」だったらいい。

 

著作権法で処罰対象となるのは著作権物のアップロードのみでダウンロードは対象ではない。

 

「違法ダウンロード禁止法」ができる前にも違法アップロードは存在するが違法ダウンロードは存在しない。存在しない違法ダウンロードを禁止するとはこれ如何に?「違法ダウンロード禁止法」ができて初めて「違法ダウンロード」なるものができる。

 

論理学でいう自己言及のパラドックスである。自己言及のパラドックスの分かりやすい例としてエピメニデスのパラドックスがある。簡単に説明する。

 

あるクレタ島人は言った。「全てのクレタ島人は嘘つきである。」と。このクレタ島人が本当のことを言っているのなら「嘘つき」になる。これがパラドックスである。

 

「違法ダウンロード禁止法」の法律名が自己言及のパラドックスであることについて誰も触れていないのは不思議である。少なくとも私は聞いたことがない。